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hort story

続けなさい
くじけて道端に座り込んだネズミ。


そのネズミが石だと思って腰掛けたカエル。


そのカエルがじっと見ていたのは二つのお地蔵。


その二体のお地蔵の間に供えられた花束。


その花束が醸し出す懐かしい香り。


懐かしい香りに引き寄せられて集まって来た無数の思い出。


その思い出の中に見え隠れする一匹の子猫。


その子猫が新しい飼い主に貰われていく自動車。


その自動車の後を走る小さな影。


どうやらその子猫に恋していたあのネズミ。


いい加減重くて嫌になり少し動いたカエル。


びっくりして飛び上がったネズミ。


飛び上がった時にまたちらっと見えた子猫の乗る自動車。


汗をすばやく拭くネズミ。

さあ、続けなさい。

- written by kim -

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