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hort story

ある海沿いのカフェ
三ヶ月に一度くらい、歌詞をまとめて書くために訪れるカフェがある。
ある海沿いの崖っぷちに建っていて、潮風でかなり傷んでいるテラスがある。
いつもそこに座る。誰かが座ってると席が空くまで何時間でも待つ。
実際、今日は2時間位待った。なぜそこまでその席が大事かというと、その場所に鳥がやってくるからだ。羽を広げると1メーター位ある鳥が、目の前で緩やかに旋回する。それもたまに近くを通るのではなく、引っ切りなしに頭上やテラスのすぐ横を飛び回るのだ。その姿をじっと、ぼーっと見るためにここに来る。

するとテーブルに一羽の鳥が降り立った。
その鳥はゆっくりテーブルの上を歩き、無表情に辺りを見回す。視界に俺は入っていないかのようだ。

無駄の無い美くし過ぎる曲線が自然の中で引き立っている。

もう、我慢できない。
限界だ。
俺は店員を急いで呼んでこう伝えた。

すいません、焼鳥ください。

- written by kim -

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