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hort story

ある日
電車が来るのをベンチに座って待ってると、ハアハア言いながら汗びっしょりな高校生が隣に座った。
ふと彼の手元を見てみると、見たことあるものが握られていた。
そう、ボタンだ。ファミレス等でよく見かけるボタンだ。俺の視線に気付いたんだろう、興奮覚めやらぬ彼はこう話し始めた。
『いや、今日の朝、テレビの占い見てたら、星座占いがビリだったんすよー、しかも血液型選手権もビリで。運勢上げるラッキーアイテムは白いボタンです!なんて言うもんだから焦っちゃって。・・・ん?
あれ、今自分で説明しながら気付いたんですけど、ボタンって、もしかして服に付いてるやつですか?あっ!そりゃそうですよね!ヤバイ!勘違いしちゃいましたよ!!』

彼の後ろには顔を真っ赤にして、追って来た店員が近づいていた。

あんな占いも当たるんだな。と思った。

- written by kim -

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